いよいよ基礎工事が始まりました。
写真は鉄筋が組まれた様子です。

梁の部分と床の部分がよく判りますね。鉄筋の太さと間隔をチェックします。
特に鉄筋同士のつなぎ部分(定着長さと言います)が重要です。
コンクリートの中に含まれてしまう部分ですから、この時点での施工寸法の精度が大切です。
現場監督の施工チェックも当然厳しくなる瞬間ですね。
設計監理者も当然チェックしますし、検査機関や保証機関も検査に立会います。
写真では判らないですが、この床の鉄筋の下には湿気をさえぎる為の「防湿シート」と熱を伝えない為の「断熱材」がすでに敷き詰められています。
次は型枠、つまりコンクリートを流し込む為の木の枠板ですね。

ここでは、鉄筋加工と型枠加工の精度が問われます。
つまりコンクリートの寸法から型枠の位置が決まるのですが、鉄筋と型枠の隙間にコンクリートが入るのでこの隙間寸法が重要!
隙間寸法(「かぶり寸法」と言います)が規定より少ないと、強度上も問題なのですが、何よりも空気中の酸素によって徐々に中性化するコンクリートによって鉄筋がさびやすくなります。
※コンクリートはアルカリ性ですので、理論上は鉄筋が錆びる(酸性化する)事を防いでいます。お互いが名パートナーなのですね。
強度上も、鉄筋は「引張り力」に耐える役目で、コンクリートは「圧縮力」に耐える役目です。
まるで仲の良い夫婦のようですね?!

この時点で排水や、給水などの配管を通す穴(「スリーブ」と言います)のために写真のような塩ビパイプなどをあらかじめセットしておきます。
さあいよいよコンクリート打設です。写真の奥は「ミキサー車」でコンクリートを積んで現場に運んでくる車。
手前は「ポンプ車」でミキサー車からコンクリートを受け取って現場まで圧力を加えて送る車です。
設計監理者もこの時、実際に現場に届いたコンクリートの空気量やスランプ(硬さ加減を表すものです)といった品質確認を行います。

コンクリートが送られる先端部では職人の方々がコンクリートの固まり具合を見ながら打つ場所を変えて行きます。
因みに、ここの現場の力持ち職人さんは、かつては有田市にあるみかん農家出身の方です。

コンクリート打ちの最前線では、パイプを持つ力持ちの職人さんと、バイブレーターという振動機を持ってコンクリートをスムーズに流し込む職人さん、それと左官職人さん、型枠大工さんが動き回り細かい調整をしています。

そして完成!
この後も時間を空けて左官職人さんがコテで丁寧にコンクリートを数回に分けて均していきます。
ぴょこぴょこと立上がっている鉄筋は、基礎から壁につながる鉄筋です。
現場によっては徹夜作業になることもしばしばです。
コンクリートの打設は工事現場では最も大変な工程です。かつては作業終了後に、お疲れさん!と現場の職員さんや職人さんを交えて祝いの酒を交わしたものです。
本当にご苦労様でした。
一階のコンクリート打設でも宜しくお願いしますね。
次回は壁の型枠と鉄筋です。
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テーマ:建築デザイン - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2010/01/30(土) 20:00:31|
- A邸
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