上棟、じょうとう、つまりは棟を上げる工程です。
いわゆる棟上(むねあげ)と言ったほうが聞きなれているかもしれません。
今日はその紹介です。

まずは前回設置した土台に柱を建てていきます。
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その柱たちに一般に梁(はり)と呼ばれる横材をかけて安定させます。
ここからは、計画によって様々な組み方があります。
今回の計画では天井ふところを最大限活用してロフトを取り、室内空気を建物に上手く循環させる為に勾配天井を計画しました。
その結果、棰(たるき)構造という組み方になります。

何本もの斜めの木が屋根面に並んでいるのが棰(たるき)と呼ばれるものです。
今回はこの棰の間を利用して屋根面にたまる夏の熱い空気を外に排出する計画をとっています。

梁と床の板を受ける根太(ねた)を繋ぐ組み方はこんな風になります。
ちなみにこれは「大入れ蟻掛け羽子板ボルト締め」という組み方です。
今はほとんど機械で切り出しますが、昔はこつこつと大工さんが切り出していました。
私の叔父さんが昔、毎日毎日現場でトンカントンカンと切り出していた事を思い出します。

1日で材料を工場から現場に搬入しますが、今回は16トンクレーンを使って材料を吊り上げました。
組みあがると上棟式といって、酒、塩、米を建物四方に撒いて建物を清めます。

その後は施主さんと職人さんたちが顔合わせをし、建物の説明と工事の安全をお願いして意思の交流を図ります。
いわゆる上棟式です。

今回はゆったりとした大きな庇を計画している為に難しい木組みがあります。


屋根が仕上がってしまえば見えなくなりますが、難しい加工をする場合こういった見えない場所に職人さんたちの技量が発揮されますのでとても重要です。
なかには組めない職人さんもいるそうですから。。。。今回の優秀な職人さんたちに感謝!感謝!
ロフトから見るとこんな感じです。わくわくします。

昔、和歌山に沢山あった玉ねぎ小屋に登っては遊んでいた時を思い出しました。
こころが成長してない証拠ですかね。。。。
次回は屋根の上からを紹介します。
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テーマ:建築デザイン - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2010/03/04(木) 12:52:58|
- A邸
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